仮想通貨カジノ兼スポーツブックの新サービス「Yeet.com」は本日、775万ドル（約11億円）を調達したと発表しました。
この資金調達は、仮想通貨ベンチャーファンドのDragonflyが主導し、Pudgy PenguinsのCEO・Luca Netz氏やLayerZeroのCEO・Bryan Pellegrino氏など、複数の著名なエンジェル投資家が参加しています。
同社は、仮想通貨業界で著名な* マイケル・アンダーソン氏、匿名トレーダーのKeyboard Monkey氏、そしてプロのポーカープレイヤーであるベン・ラム氏の3名によって共同設立されました。
各創業者が持つ専門知識や業界で築いたネットワークを活かし、仮想通貨に精通したユーザーとの強固なつながりを構築することを目指しています。
*免責事項：アンダーソン氏はDecryptの親会社であるDASTANの投資家です。DASTANの社長Farokh Sarmad氏もYeetへの投資家です。
「Yeetのキャッチフレーズは“Crypto’s Casino”です。つまり、仮想通貨コミュニティによって、仮想通貨を使う人々のために作られたカジノということです」と、仮想通貨ユーザーの間で“Mando”として知られるアンダーソン氏はDecryptに語りました。
「私たちは仮想通貨を決済手段に採用していますが、それだけではありません。ブランドやチーム、そしてゲームそのものが仮想通貨文化に深く根ざしているのです」とも述べています。
同プラットフォームでは、ブラックジャックやルーレットなどの今までのカジノゲームはもちろん、仮想通貨ならではの新しいゲームも多数提供されます。
たとえば、NFTのミント（発行）やミームコインの取引、DeFiでの「強靭化」の体験を再現したゲームなどに参加できます。なお、DeFiとは、仲介者を介さずに暗号資産を取引・借り入れ・貸し出すことを可能にするアプリケーションの総称です。
Yeetは当分の間、ブロックチェーン上で実行されるゲームではなく、緊張感と楽しさを兼ね備えたベッティング環境の提供に注力します。
ですが将来的には、ブロックチェーンで検証可能なランダム性（VRF）を導入し、公平性が証明されたゲームを取り入れる可能性も検討しているとのこと。
「仮想通貨ユーザーは大胆にリスクを取るユーザーが多い傾向にあります。 100倍のレバレッジを賭けた取引や、トレンドのなミームコインの購入、エアドロップからNFTまであらゆるものに関心を持っている」と、Yeetの共同創業者であるKeyboard Monkey氏はDecryptに語りました。
「仮想通貨にはエンターテインメントが必要です。トレードの規模がやや停滞している今の時期でも、私たちは皆、スピード感のある体験を求めています。それこそが、私たちの世界観にあるべき自然に溶け込む形だと思います。」
ユーザーにとって利用しやすい環境を整えるため、同プラットフォームはこれから立ち上げるスポーツブックとあわせ、テレグラムボットを使ったアクセス手段も計画中です。
これは、人気のメッセージングアプリから直接トークンを売買できるミームコイン取引アプリの流行を受けたトレンドだといえるでしょう。
大手仮想通貨カジノであるステークカジノ、シャッフルカジノ 、Rollbitなどとの競争については、共同創業者のベン・ラム氏が「深く仮想通貨に根ざしたブランドのルーツと文化が、スタートアップとして市場シェアを拡大する際の強みになる」と期待を述べています。
「Yeetは仮想通貨に特化していることが大きなポイントです。私たちはこれらのプラットフォームと直接競争しようとしているわけではありません。彼らが提供していないものを提供しているのです。私たちは“仮想通貨のカジノ”なのです」とラム氏はDecryptに語りました。
また、ラム氏は仮想通貨業界のいわゆる「ダメな投稿者」やトレーダー、創業者との提携、マルチティアのアフィリエイトプログラム、充実したVIPリワードプログラム、さらに将来的にエアドロップにつながる初期ポイントプログラムなどを計画していると述べています。「では、トークンはどうなるのか？」とも付け加えました。
Yeetはアンジュアンおよびキュラソーのライセンスを取得しており、米国居住者はプレイできません。
その代わりに、アジア、ラテンアメリカ、カナダ、アフリカ、そして一部のヨーロッパ市場など、仮想通貨カジノ の需要が急拡大している地域に焦点を当てているとアンダーソン氏は説明しています。
なお、ユーザーは複数のEthereum互換チェーンやBitcoin、Solanaなどから資金をデポジットすることが可能です。
